営業からWebマーケターになった後で苦労すること&対策

もし現在営業職で、Web系業務未経験ゼロの人がWebマーケターになった場合。
苦労するであろうことを列挙し、その対策も考えてみました。
目次
1.PC操作に不慣れな場合苦労する
営業の職場によっては、下記のような仕事があります。
- PowerPointで資料づくり
- Wordで送り状作成
- Excelで管理表に記入
- 業務システムから見積書・請求書を作成
そのようにPCは日常的に使うと思います。
しかし、最近では何でもスマホ・タブレットで済んでしまう時代になりました。
また、営業事務がサポートしてくれるので、自分でPC操作するのはメールぐらいという人も居ます。
不慣れな場合は苦労するでしょう。
対策:PCの基礎操作は練習しておく
一般的なPC操作ができる人であれば、パソコンスクールに通うまでの必要はありません。
ただし、下記がわからない場合は練習や勉強をしておきましょう。
- PCにログインできない。
- ファイルやフォルダなどの概念がわからない。
- インターネットとは何かわからない。
- Webサイトとは何を指しているのかわからない。
- ECサイトで購入したことがない、できない。
- 検索エンジンとは何かわからない。
- Eメールを使ったことがない。
- Word、Excel、PowerPointを使ったことがない。何ができるのかわからない。
中には「学校などでPCは少し触ったが、自宅にPCが無い」という方もいると思います。
今後自習を行う上でも必要になるため、自分のPCを1台買っておきましょう。
最初に始めるPCの選び方
WindowsでもMacでも構いませんが、MacはWindowsに比べるとかなり高額です。
また、Webマーケターの場合、資料作りも多いためMicrosoft Officeと相性の良いWindowsのPCを1台買っておくと良いでしょう。
Webマーケターは4Kサイズの動画編集のような高負荷作業は基本的にありませんので、ハイスペックPCである必要はありません。
ただし、デザインツールで確認作業を行うことがあるため、メモリは最低でも16GB、できれば32GBあると安心です。
自宅用であればノートPCでもデスクトップPCでも構いません。数万円から購入可能です。
2.専門用語がわからず苦労する
Web業界、Webマーケティングの世界で当たり前のように用いられている専門用語。
知らなければ会話に参加できませんので、覚える必要があります。
専門用語の例
用語 | 意味 | 補足 |
---|---|---|
GA(ジーエー) | Googleアナリティクスという業界標準のアクセス解析サービスのこと。 | GA4(ジーエーフォー)と、バージョン名を繋げて使うことも多い。 |
PV数 | ページビュー数。そのページが何回アクセスされ表示されたかという指標。 | |
セッション数 | Webサイトへユーザが訪問したのべ回数。 | ユーザが3回訪れたらセッション数は3。 |
ユーザ数 | Webサイトへユーザが訪問した人数 | 同じユーザが何回訪れてもカウントは1。 |
CV(シーブイ、コンバージョン)数 | お問い合わせ、資料請求、購入などのアクションの数。 | |
CVR(コンバージョン率) | ユーザがコンバージョンする率。 | 例えば100ユーザが訪問し、うち1人がCVした場合、CVRは1% |
CPA(シーピーエー) | 1CVを得るために使用した広告費 | 例えば100万円の広告費で100人獲得したら、CPAは1万円。 |
教科書で勉強して用語を覚えようとしても、なかなか頭に入らないものです。
用語は使ってこそ覚えます。
最初はわからなくても、「こういう概念のこういう用語があるのだ」ということを一通り知っておけば、仕事をしているうちに自然と使えるようになるでしょう。
対策:一通りの勉強と、自分用マニュアルの用意
まず書籍等で、網羅的に一通り勉強しましょう。
大事なのは、わからないこと・ぼやっとしていることをそのままにしないこと。
新しく知った用語は表にまとめておくなど、自分用のマニュアルを用意しておくと良いでしょう。
3.営業と違い、ターゲットの顔が見えず苦労する
営業では、顧客に会いに行くことができます。
直接話をすることで、顧客の解像度は高くなっていくでしょう。
しかし、Webマーケティングのお仕事では、間接的に関与するため顧客が見えない場合があります。
「相手のことがよくわからないのに、刺さる提案づくりなど難しい」と思うかもしれません。
対策:顧客の解像度を上げる方法を知りましょう
一つは、営業から聞く
一体どんな人たちが顧客で、どんな課題があって、この売り物はどんなところが響くのか。
なぜ売れているのか、売れない場合、その原因は何か。他にはどんな選択肢があって、どう選ぶのか。
これは営業経験があれば、営業目線での質問ができるため、具体的な質問がしやすいと思います。
営業動向させてもらう、実顧客に会いに行く
営業パーソンに同行させてもらったり、顧客に事例掲載のためのインタビューをお願いしたり。
そんな風に顧客との物理的接点をつくれるようお願いする方法があります。
展示会やイベントに足を運ぶ
ターゲット顧客が集まる場があれば足を運んでみるのも良いでしょう。
そこで出ている話に耳を傾けてみても良いですし、また営業がどのように話をしているのか、その反応はどうか等も参考になります。
有償でのインタビュー
顧客に直接話が聴けない場合は、属性の近い人をリクルーティングし、インタビューさせてもらうという手法もあります。
「ビザスク」というサービスもあり、ニッチすぎるものでなければこの手法は有効です。
グループワークでペルソナをつくる
実際に顧客と接している人たちと一緒に、具体的なターゲットのイメージを一人の人物像としてまとめます。
年齢・性別・趣味趣向・経歴・行動傾向などを具体化したペルソナをつくり、皆でコンセンサスを取ることで、顧客像が具体化します。
アンケート調査を行う
様々なインターネットアンケート業者があります。
取得するパネル数(回答人数)や絞り込み条件、設問数によって金額は変わりますが、ある程度まとまった母数であれば検討の足場として使えるデータが得られるでしょう。
そんな風に、Webマーケターは営業よりも顧客と接する機会が少なくても、顧客解像度を上げるためにできることがたくさんあります。
方法だけでも知っておけば「顧客の解像度が低いので、こんなことさせてもらえませんか?」と提案することができるのです。
4.良いものが生み出せず苦労する
営業では、自分自身が媒体であり、自分自信がコンテンツです。
一方Webマーケティングでは、Webサイト/広告/SNSが媒体であり、Webページ/広告文・広告画像・動画/SNS投稿がコンテンツです。それらを生み出すマーケターは「クリエイター」でもあります。
会話の中で伝えることは得意でも、じゃあWebとして、ランディングページとして、広告として、SNS投稿としてどう表現すれば良いのか。
せっかく良い中身を考えられても、有効な形に落とし込めないかもしれません。
対策:良いものをたくさん見る、その裏側の知識を学ぶ
「Webではどう表現するのが適切なのか」それにはセンスが必要です。
センスというと天性のものと思われがちですが、実は知識と経験によって後天的に獲得可能です。
良いものをたくさん見る
たくさんのWeb上のクリエイティブ(広告制作物)を見て、「何かいい感じだな」と思うものをクリップして収集しましょう。「惹かれる」と思うクリエイティブを集めましょう。
Web、広告、SNS投稿、たくさん見て、これがなぜ惹かれるのかについて言語化しましょう。
しかし、なぜ良いのか説明が付かないこともあるでしょう。また、何が良いのかわからないことも。
それには「知識」が役に立ちます。
裏側の知識を学ぶ
デザインの基礎が学べる初級者向けの本を1冊。
近接、整列、反復、対比や、色が持つ意味・与える影響などを学べる本が良いでしょう。
マーケティングに役立つ心理学の本を1冊。
バンドワゴン効果(行列に並んでいる人が多いと、良いものだと判断してしまう効果)、バーナム効果(自分にあてはまっていると思わせる効果)、カリギュラ効果(禁止されるとやりたくなる)等、知っておくと「ああ、こういうことだったのか」と腑に落ちることが多いでしょう。
コピーライティングの本を1冊。
ワンフレーズに凝縮し、いかに伝え動かすか。細部をそぎ落とし、洗練させるか。
それぞれ小難しい専門書である必要はありません。
集中すれば3~4時間で読み切れてしまう程度のもので大丈夫です。
実際の仕事にあてはめて「これはあれで使える」なんて考えながらやると良いでしょう。
もしかしたら夢中でメモを取りながら次の出社が楽しみで仕方が無くなるかもしれません。
これらの知識を得た上で、良いと感じたものを再度見てみると、また深い学びにつながります。
プロはそんな風に自主的に学びながらプロになっていきます。
一方で、やはり適性も。
Web業界の仕事において、マーケティング・クリエイティブ・エンジニアリングの3領域は、向き不向きが強く出る領域です。やはり適性もあります。
「この領域で自分はやれる」ということを事前に確認しておくことが安心に繋がると思います。
もしWebマーケティングのお仕事に興味があっても、自分にできるかわからないということがあれば、Sadakaで体験してみてください。
Webマーケターと一口に言っても、職種も仕事内容も求められる資質・適性も様々。
色々なお仕事を知った上で、体験アクティビティで手応えを確認いただけます。
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