営業が合わなかった人はWebマーケターでも苦労する?

営業が合わなかったと一口に言っても、「本質的に何に合わなかったのかの理由」は人それぞれです。
Webマーケターであれば全く問題ないこともあれば、営業と同様に合わない場合も。
ここでは営業という仕事が合わない人のよくあるパターンと、それぞれの場合のWebマーケターへの適性について考えていきます。
目次
営業が合わないパターン
営業が合わない理由として、よく言われるメジャーなものを挙げていきます。
1.初期段階で断られるのが辛かった
特に新規開拓の営業では、まず話を聞いてもらう相手を見つけなくてはなりません。
テレアポ、飛び込み、メール営業などのアプローチを行います。
ですが基本的に営業を受けることが好きな人というのはあまり居ません。
嫌がられたり煩わしいという扱いを受けたり。
時には「もう連絡しないでくれ」とクレームを受けたりもするでしょう。
やっと話を聞いてくれる人が捕まっても一筋縄ではいきません。
- 雑談ばかりで一向に話が進まない
- 買う気が見えない
思うように成果が出せず、
結果を上司に報告するにも杞憂で追い詰められた気持ちになるかもしれません。
このような経験を通して、「自分には営業は合わなかった」と思う人も多いでしょう。
しかし、必ずしもそうとは限りません。
合わなかったのは営業という仕事なのか?それとも売り物か?
まず扱っている商材が、保険、証券、先物、投資用マンションなどの場合。
これらは非常に難易度の高い営業です。
なぜなら、これらは必需品ではなく、自分から欲しいと言ってくる人はほとんど居ないからです。
始めは身内に当たり、いくつかは売れるでしょう。
その後も売れ続けるのは一部のスター営業だけ。
かなりマインド面に左右されます。
このケースは、同じ営業であっても、売り物を変えるとうまくいく場合もあります。
売れる仕組みがあれば、営業が一人で頑張らなくても良い世界がある
例えば、マーケティング活動によりお客様は向こうから来てくれる商材であった場合。
営業の仕事は、お客様の課題に寄り添い、
ニーズを満たす提案をする段階からスタートできます。
これならハードな個人営業でうまくいかなかった人であっても、
営業として活躍できる可能性があるはずです。
法人営業でもアポを取るのに苦労する
今度は法人営業の場合。
見込み客のアポを取るのも大変です。
ニーズが既にあれば、顧客はWebを見て自分で探してしまいます。
ニーズが無ければ、営業から電話を掛けても繋がりません。
- コロナ禍以降のリモート普及
- 電話代行サービスの浸透
従来型の営業には逆風が吹いています。
事業モデルが古いからかも?
もしかするとうまくいかなかったのは、事業モデルが古いままで、
今の世の中では無理があったからかもしれません。
ニーズのある人が集まってさえくれれば、
そこからのクロージングなら大分負荷が下がるはず。
顧客について想像できないという可能性も
見込み客について想像できず、活動の手応えが得られないという可能性もあります。
- どんな人か
- どこに居るか
- 何が悩みか
- どう選ぶのか
これらを想像する力が乏しい人は、Webマーケターとしても難しいかもしれません。
もちろん業界知識が無いだけという可能性はあります。
しかし、知識が無いという自覚があれば、何か行動するだろうと思いますので、
それをやらないのであれば結局難しいと思われます。
2.人と話すことが苦手
そもそも人と話せなければ、営業という職業を自ら選ばないだろう
と思われがちな営業職ですが、そうとは限りません。
逆に「できないからこそチャレンジ」という人や
「文系の就職先は営業(しかない)」という流れで営業に就く人も結構居ます。
やってみたら、やっぱり無理だった。
必ずしも口が上手い人が売れている営業とは限らない
口下手で成功している営業パーソンは多くいます。
「苦手」という感覚が、何に対する苦手なのか、掘り下げてみましょう。
「立て板に水のようには話せない」
「うまく言いくるめられない」
などが苦手なのであれば、相手の話をよく聴く、傾聴スタイルで成功する可能性があります。
むしろ口がうまい営業よりも、信用され信頼されるでしょう。
コミュニケーションが苦手な場合
一方で、「コミュニケーションそのものが苦手」という適性に関することであれば、営業を続けるのは難しいかもしれません。
例えば、
「口頭の話に付いていくのが苦手」
「はやとちりして誤解しがち」
のような方は、コミュニケーションミスを連発して自信を失うかもしれません。
その場合、人ではなくPCに向かう仕事を、という観点からWebの仕事を志すケースもあるでしょう。
しかし、Webの仕事も人とのコミュニケーションが必須です。
そのため、自分に合う職種とのマッチが非常に重要です。
Webマーケターに関しては、人に向き合い、人を動かす仕事です。
もし人とのコミュニケーションに強い苦手意識を感じている場合、難しいかも知れません。
そのような方はHTMLコーダーなどの、技術系の職種の方が向いている可能性があります。
もちろん、「コミュニケーションが極端に苦手でありながらもWebマーケターで大成する人」がいないわけではありません。
しかしそれはある種の天才的なもので、万人に言えるものではないのです。
3.提案しても受注できない
営業は受注して初めて成果になります。
受注できないことが続くと、自分は役に立てておらず、営業は向かないと思ってしまうでしょう。
しかしこれも、単に扱っている商材の問題ということがあります。
そもそも売れない商品は、営業が頑張っても売れない
売れないものは、売れません。
「売れないものを売ること」が営業の仕事ではなく、「売れるもの(≒価値のある商材)を、価値を感じてくれる人に届けること」が営業の仕事のはずです。
とはいえ、似た商材やサービスが溢れている時代、絶対的に売れる商品などはそうありません。
もしあったとしても営業不要で売れてしまうので、
注文窓口かコールセンターがあれば十分なのです。
営業は自社の扱う商品を「これは売れない」と決めつけるのでは無く、売り方を考える必要があります。
営業は、売れる可能性がある商品を、どうしたら売れるか考えて売る
「どんな人ならこれが合うのだろう?」
「どんな人がどんなシーンで必要としているの?」
「なんと伝えれば買ってくれる?」
「競合となる選択肢はなんだろう?」
「競合と比べてもおすすめできる理由は何があるか?」
これらを考え、実際にアプローチしてみて、反応を見ていきます。
試行錯誤しながら自社だけの金脈・勝ちパターンを探っていきます。
勝ちパターンが見出せれば、それをいかに再現するかを考えます。
繰り返しながら精度を上げて、刈り取っていきます。
また、今すぐ客でなければ温度感に合わせ売り込みを控えます。
良好な関係性と距離を保ち、ホットであれば決めに行きます。
このように、柔軟に動いていきます。
この「考えて動く営業活動」のスタイルは、Webマーケターの仕事とほぼ同じ。
営業をWeb・デジタルに置き換えて行なうという話です。
自分とは異なる属性・背景の人が買う理由とストーリーを生み出す力は、Webマーケターに必要な資質です。
想像力があるか、自分とは異なる立場・属性・背景の人の目線で、生活や困りごとを想像できるか?がキーになります。
最初は妄想でも良いのです。
仮説を立て、情報を集め、実際にターゲットを見て聞いて、相手目線の解像度を高めていきます。
もし営業を行う中で、上司から「ターゲットはこれ、アプローチの仕方はこれ、突撃!」と指示された際に、「本当にこれがベストか?」と悩んでしまい行動量が上がらず、結果営業が合わないと思った方は、もしかしたらWebマーケターでは活躍できる人かもしれません。
逆に、考えて動く活動が苦手な場合、
Webマーケターには向かない可能性があります。
4.数字のノルマがつらい
営業が受注を決めなければ、会社はお金が無くなります。
そのため、受注し、利益を作ることは営業の根源的なミッションです。
しかしそのような背景は分かっていてもつらい面があります。
ノルマが未達で辛い
シンプルに、売れないという話。
これまで言及してきた各内容の結果、売れないのでノルマも未達になり、辛い思いをします。
ノルマを達成しているが、数字に追われるのが辛い
四半期ごとに設定されたノルマをやっとクリアしても、またゼロからのスタートの繰り返し。
多少仕込みはあるものの、「延々とこれを何十年も続けていくのか」と思った際に、今後の人生を考えて迷いや悩みを感じる方は少なくないようです。
達成しているがノルマに追われる生活が辛いのであれば、
- 仕込みを作るのがとても大変な営業である
- どこに居るか
- 目標が高く常に短距離走で全力疾走をしている感覚である
- リスト・リードの枯渇が苦しい
などが考えられます。
「やってやれないことはないが、Webを活用すればもっと効率が良いのではないか?」
そんな風にマーケティングの役割を担う側に移る。
リード不足で苦しむ営業を助け、非効率を無くしてやるのだという気概に満ちた転職も大いに有りだと思います。
そこでお伝えしておきたいことは、Webマーケターにも数値目標はあるのだということ。
指標は企業や部署、施策にも寄りますが、例えば下記のような数字を追い掛けていきます。
<営業に関する数値>
- 問い合わせ/申し込み獲得数
- リード獲得数
- 商談数
- 受注数
- 売上高
- 粗利益
<Webマーケティングに関する数値>
- アクセスしているユーザ数
- 検索エンジンの順位と流入数
- 広告やマーケティング施策に対する費用対効果(CPA、ROAS、LTV等)
- SNSのフォロワー数
根性論や行動量でどうにかなるものではないため、営業のノルマのような性質とは異なりますが、
それぞれ中間指標の数値を向上させていくことが求められます。
そのため、「どうしても数字に関わりたくない」という数字アレルギーのような状態の方は、Webマーケターは避けた方が良いと思います。
一方、ゲームが好きで数字を上げていくのが楽しい、というタイプの方は、市場を攻略していく様を楽しめるかもしれません。
まとめ
営業が合わなかった理由は、具体的に見ていくとその背景や原因は様々でした。
Webマーケターが合うかどうかは、営業での仕事を振り返ってみると検証することができます。
営業ではダメでも、Webマーケターなら活躍が期待できる人の特徴
- 自分とは異なる立場・属性・背景の人の目線に切替えて、その生活シーンや困りごとを想像できる。
- 「しゃべり」は上手くなくても、コミュニケーションは取れる。
- ターゲット像を想像し、売り方を考えて工夫できる。
- 営業ノルマは辛くても、目標数値を追い掛けることは前向きに楽しめる。
Webマーケターになっても苦労する可能性がある人の特徴
- 見込み客について具体的に想像するのが難しい。
- わからないことをそのままにする、自発的に勉強しない。
- 人とのコミュニケーションに対し、強い苦手意識を感じている。
- 仕事の結果に数字を求められることに拒絶反応がある。
仕事は、自分に向いていることであれば自然と伸びていき、人に喜ばれ、待遇も上がり、人生も拓けるものだと思います。
あなたが自分に合った仕事を見つけるための、お役に立てれば幸いです。
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